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論理的に話を進めるということ。

LL.M.も2nd termの2周目に入りました。

とはいえ、多くのUSのロースクールと異なり、ロンドン大学では、科目選択はterm毎ではなく、1st termに選んだ科目を1年間かけて学びます。

そんなわけで、今日のInternational & Comparative Secured Transaction(英国を中心とした担保制度を学ぶ科目。)は1st termからの流れで、英国におけるSecurityのEnforcement(担保実行)のお話。

当然のことながら、英国法と日本法では、基本的な法源、法体系が異なっています。イメージでは何となく知ってはいましたが、実際に勉強してみると、なかなか理解するのが難しいものがありました。Common Lawと Equity(誤解を恐れず、ざっくり言えば、いずれもCases(判例)の積み重ねによるルール。さらに誤解をおそれず、ざっくり言えば、Common Lawの不当性、不合理性を結論としての妥当性から補うのがEquity。)の錯綜、そして、その隙間を埋めるというか、錯綜を纏め上げるというか、そこにようやくStatute(制定法、成文法)が入ってきます。そんなことにも、ようやく慣れ、日本の担保法制との違いを面白いと思えるようになってきました。

そして、Norton Roseという法律事務所のパートナーでもある、Calnan教授の著書Taking Security -Law and Practice-、彼の語り口は、理路整然としており、また、実務感覚に溢れています。私の一番のお気に入りの科目。

しかし、これを邪魔する輩がclassには多いのが、良いのか、悪いのか。ディスカッション形式の授業は、実はロンドン大学のLL.M.では珍しく、色々な国の実務背景を持った人の話を聞くことは、純粋に面白いです。ただ、国民性なのか、日本人の感覚からすると、話の流れに沿った質問をしようとか、教科書に書いてあることを聞くなんてことはしないとか、エチケットみたいなことを考えてしまいます。もちろん、この感覚がプラスの側面もマイナスの側面もあるとは思います。ですが、出席している多くの学生は、それぞれの国の弁護士。順序立てて物事を整理、熟考、検討すること、ロジックを大切にすべき職業。にもかかわらず、なぜ、こんなにも自分の言いたいこと、聞きたいことを、話の流れも考えずに喋るかなぁ…。

というわけで、授業はいつも脱線に脱線を重ね、Calnan教授が必死に軌道修正を図っています。

それでも、この授業は面白い。

  by gentlemandinner | 2007-01-17 23:22 | LL.M.

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