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監督人事に想ふ。

今夏に控えるヨーロッパ選手権に向けて、欧州各国の強豪国は準備を開始している。

本来であれば、Englandも、その共催国であるSwitzerlandを迎えて第一歩を迎えるはずであった。が、先日リポートした通り、EnglandはCroatiaに敗れて本大会出場を逃してしまった。このスポーツの母国であるEnglandがこうした国際大会への出場を逃したのは1994年のアメリカ・ワールドカップ以来のこととなる。当然、England国民に与えた衝撃は大きく、監督の資質を問われたSteve Mclarenは即解任され、その後連日のように監督人事が大きく報道された。

一部国民の人気を博したのはBluesを去ったMourinhoだったりもしたが、結局はFabio Capelloということで落ち着いた。母国Englandにとっては、Ericsson以来、2人目の外人監督である。監督人事はどこの国に行っても賛否両論飛び交う関心事となるのが通常であるが、この国では、それが自国民でないということの一点をもって強い批判が起きることに驚くと共に、(ステレオタイプに物事を捉えることは好きではないが。)この国の人々の根底にある意識が見て取れるように感じられもした。

Fabio Capelloといえば、代表監督の経験はないとはいえ、AC MilanでBig Earを掲げ、Juventus、AS RomeやReal Madridといったヨーロッパのビッグクラブで成功を収めた名将と言われる監督の1人である。英国に人材がいるのであればともかく、現在この国の代表監督を任せられるような実績ある人材はいないように思える。ヨーロッパを見渡して、ここしばらくこの国の監督が国外のビッグクラブを率いている例はないと思う。そればかりか、Fergusonの率いるMan Uを除き、Englandのビッグ4の残り3はいずれも外国人監督に指揮されている。

そうした状況にあって、出直しを図ろうとするこのときに、自国民であるか否か、その点に執着した議論が何故出てくるのだろう…。

LL.Mでできた友人が以前に、「イギリスと大陸では全然違う。」ということを批判的な文脈で述べていたことがあったのだが、当初はピンとこなかった。勿論個人レベルでの付き合いにおいて、こうした観点で嫌な思いをさせられることはないし、総じて親切を感じることの方が多い。ただ、この国はやはり歴然とした階級社会であり、その上層を圧倒的多数占めているのはBritishの白人である。そして、Proms Last Nightに代表されるようなNationalismの濃い国である。

監督人事の議論にこうした意識がなかっただろうか…。

  by gentlemandinner | 2008-02-06 20:58 | football

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