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Juve!!!

昨日の感動に酔いしれ、気持の良い眠りから覚めると、もう一つ嬉しいニュースがあった。

BluesがFAを制した昨日、イタリアではJuventusがSerie A復帰を決めた。残念ながら、CLでJuventusの姿を目にするまでには、まだ少なくとも数年を要するだろうが、1年で復帰できたことは、このクラブにとって非常に大きな意味を持つ。

今のサッカー界は、イングランドのプレミアリーグを筆頭に巨額のマネーが動くビッグ・ビジネスとなっている。ただし、その恩恵に預かれるのは一握りの国の、さらに一握りのトップリーグに所属するビッグクラブのみ。イングランドでは、プレミアリーグに所属するか否かということだけで、その収入は何十億の違いとなる。広告収入、グッズその他の付随的な収入を加算すれば、その額は、さらに桁を異にする。さらに、CLに出場すれば、そのマーケットは国を越え、日本、中国、アメリカと、世界に拡大する。

一方で、このビジネスの特異であり、投機的なところは、クラブの戦績という、極めて不確定な要素に左右されるところだ。各国のリーグで、上位に入れなければ、翌年度のCL出場権を逃す。下位に甘んじれば、降格という憂き目に遭う。そして、たった1年にして、何十億の収入を失うことになる。

MLBの松坂の1億ドルの移籍は、極端だが、サッカー界でも、ビッグネームの移籍となれば、数十億円の移籍金が動く。今シーズン、スコットランドリーグで個人タイトルを総なめにした中村俊輔には、プレミアリーグの古豪Tottenham Hotspur(Gary Winston LinekerやPaul John Gascoigneといったイングランドを代表する名選手がプレーした。ちなみに、日本人選手としては、戸田和幸がここに所属した。)から、6.75Mポンドでの移籍がオファーされたという。そんな選手を数多く抱えるクラブが一度巨額の収入を失うこととなれば、途端に経営危機に曝されることとなる。

そこに、現在、このスポーツが抱える暗い影があると感じる。昨年、ワールドカップを制したイタリアが、喜びに浸り切れなかった、イタリア・サッカー界のスキャンダル。かつて、Alan Smithが、Rio Ferdinandが、プレミアリーグで暴れていたLeeds Unitedは、今期のChampionshipで下位に終り、数年のうちに、トップリーグから実質3部への降格が決まってしまった。ある意味、ロシアの大富豪が道楽でクラブを経営しているBluesのようなものが健全なのかもしれない。言ってみれば、サカつくの実写版、サッカーファンであれば、これ以上の道楽は恐らくない。

Juventusも来期での復帰がなければ、Leeds Unitedのような道を歩んだ可能性もある。更なる選手流出が進み、Serie A復帰は、当分先のことになってしまったと思う。このクラブにとって、救いだったのは、クラブを心から愛するデシャンが監督であり、このクラブで育ったファンタジスタ・デルピエロが残ったことなのかもしれない。

来期、もう一度、トリノを訪れてみたい。

  by gentlemandinner | 2007-05-20 08:56 | football

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