RogerとVenus。

前夜の一定時間に売り出される数少ないチケを幸運にも入手することができた。さすがに1st weekのようにチケがしばらく残っているということはなく、1分以内が勝負であった。

しかし、通常こういった争奪戦は、そもそもsiteにアクセスできない、アクセスできたときにはsold outが常識。イギリスのインターネット普及レベルのせいか(ちなみに、いまだに家庭のスタンダードは2Mのスピード。数年前には、ISDNで、「ダイヤルアップよりも10倍早い!」がセールストークだったと聞く。)、始まって間もないチケの売出方法のためか、Final前夜になっても、アクセス不能という事態には至らず、かろうじて入手することができた。
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このチケをプリントアウトしてゲートに持っていくと、黒塗りした部分のバーコードを照らして、エントリーが許可されるという、非常に優れたシステムである。

それにつけても、思うことは、長蛇の列に並べば何とか観戦できることもしかり、前夜に数少ないながらネットでチケットが販売されることもしかり、ダフ屋が横行することもなく、私のような一般庶民でも、多少の情報収集と努力をすれば、普通に観戦可能なところが、このイベントの素晴らしい一面であると感じる。

男子ファイナルには他に予定があって足を運べず、来年はちょうど帰国時期に重なるため、今回がWimbledon最後の観戦となる可能性が高い。

雨続きのWimbledonであったが、今日は最近では珍しく晴れ渡った空。
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Centre CourtにはJohn McEnroeの姿が見られる。
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Centre Courtの第1試合は、このところの雨天のために、1日予定がずれ込んだ男子シングルスのSemi Final。Roger Federer vs Richard Gasquet。
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純白のジャケットを纏って登場のFederer。やや奇妙なスタイルに見えるのだが、先日は白のスラックスを穿き、ジャケットを着こなしてコートに登場し、gentleman styleを好むイギリスの新聞では好評を得ていた。

Roger Federer (Switherland / No.1)。言わずと知れた、男子テニス界に王者として君臨する世界ランクNo.1。勿論今大会もNo.1シードである。
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彼が最初に脚光を浴びたのは、2001年のWimbledon4回戦。当時大会4連覇中であったPete Samprasを若干19歳にして下した。その後、2003年から昨年までWimbledon4連覇、全豪3(2004、2006、2007)、全米を2004年から昨年まで3連覇、これまで計10のグランドスラムタイトルを手にしている。Rafael Nadalの前に全仏のタイトルこそ手にしていないが、Samprasの持つ、グランドスラムタイトル14にも来年には手が届くであろう。

2004年2月2日から継続する世界ランクNo.1は、Jimmy Connorsの記録を抜き、現在も更新中、芝コートでの連勝記録もBjörn Borgを抜いて更新中(今回のWimbledon QFで52を記録。)と、25歳という現役バリバリの時期にあって、既に歴史となりつつある存在である。

サーブといえば、Pete Sampras、リターンといえば、Andre Agassi。何かに特に秀でたスター選手は、これまでにも勿論いたが、サーブ、リターン、フォア、バックハンド、ボレー。何をとってみても、Federerほどに完成された選手は過去にいないと感じる。そして、一流選手の集まる大会だけに、随所で、「凄い」と思わせるプレーを見ることができるが、この選手ほど、痺れるプレーを、さも当然の如く、そして平然とやってのける選手はいないと思う。ほぼ全てのストロークが、ベースライン深く、数十センチ以内のところに入り、2nd サーブがギリギリのところに決まる。
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対するGasquet (France / No.12)は、伸び盛りのFranceの若手。QFでビッグサーバーのAndy Roddick (USA / No.3)をファイナルセットの末に下して、グランドスラム初の4強入り。
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姿勢の美しい若者は、フォアハンド、シングルバックハンド共に綺麗なフォームが魅力的に感じたが、残念ながらFedererの前では、やはり霞んでしまう。7-5,6-3,6-4のストレートで順当にFedererがFinal進出を決めた。
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第2試合は、女子シングルスのFinal。Venus Williams vs Marion Bartoli。
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個人的には、Justine HeninがSemi Finalで姿を消したのが残念でならない。Heninを下したBartoli(France / No.18)は、Monica Selesに影響を受けた両手フォア&バックハンドで粘り強いストロークを見せていたが、グランドスラム大会初の決勝進出で、過去の優勝経験者と対峙した場合、得てして一方的な展開になる傾向が強いと感じる。

対するのは、今大会No.23シードながら、Wimbledonを過去に3度制し(2000、2001、2005)、全米のタイトル(2000、2001)と合わせて、グランドスラムのタイトルは計5のVenus Williams(USA)。強力なサーブを中心としたパワーテニスが持ち味。
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Bartoliも、ストローク戦では決してVenusに引けを取らなかったと思うし、初のFinalでありながら、1st setでブレークバックして一時はタイに持ち込むなど、健闘を見せたが…。
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多くの観客が熱い視線を送ったFinalも…。
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終ってみれば、6-4,6-1でVenusの完勝。
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セレモニーを前にファミリーボックスでカメラを構えるのは、Venusの父親。
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セレモニーの開始を待つ。
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ケント公がBall Boys & Girlsに労いの言葉をかける。
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準優勝のBartoli。
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そして、優勝のVenus。
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御馴染みのスピーチ。
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Bartoliによる父への感謝の言葉に、Bartoliの父とVenusの父とが抱擁を交わす。
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VenusがBBCのInterviewerに応じる。
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記念撮影。そして、喜びを抑えられないVenus。
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Venusは森上との試合など苦しみながら勝ち上がり、Finalでは勝つべくして勝ったと感じるし、4度目のWimbledonのタイトルは賞賛に値する。ただ1つ肯定できないのは、あの奇声とも形容できようgrumblingである。どこかの新聞でもばっさり切り捨てられていたことに、Maria Sharapovaとの試合はお互いに見苦しかったと。テニスでは脱力のためにショットの際に息を吐き出す。従ってその際に、吐息に混じってある程度音が出ることはやむを得ない。時に選手の必死さや、切なさ、苦しさが見え隠れし、感じ入ることも多い。しかし、彼女達のgrumblingはその限度を越えて相手を威嚇しているように思えてならない。勿論プロスポーツにおいて、「勝つ」ということの追求は第一に目指すべきところであるが、テニスというスポーツにおいては、Federerのような紳士のスピリットが素敵だと感じてしまう。
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2週間に渡り、何度か現地に出掛けて大会を追いかけてみたが、"Wimbledon is Wimbledon"を少し実感できたように感じる。短い期間ながらこのスポーツをやっていて良かったと心からそう思えた。
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  by gentlemandinner | 2007-07-07 23:00 | london life

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