跳ね馬の躍動。 -British Grand Prix @ Silverstone-

Formuler 1と言えば、Monacoの印象が強いが、この自動車レースが初めて開催されたのは、Northampton郊外に位置するSilverstone Circuitである。第2次世界大戦中にイギリス空軍の軍用飛行場として設計されたこのサーキットで初回のF1GPが行われたのが1951年のこと。それから50年を経て、施設の老朽化も進み、FIAとのF1開催の契約が切れる2009年以降の開催継続が危ぶまれて久しい。

古くからモータースポーツの盛んなイギリス。現在もLewis Hamilton、Jenson Button、David Coulthard、Anthony Davidsonと、ドイツと並び最大人数のドライバーをF1に送り込んでいる。中でも、新人のHamiltonは、先週のFrench Grand Prixまで、デビュー以来8戦連続の表彰台を記録し、ドライバーズポイントでも、同僚であり、2年連続チャンピオンであるFernando Alonsoをおさえて堂々の首位に立つ。1996年のDamon Hill以来の選手権チャンピオンの誕生を期待する、イギリス国内の視線は熱い。

そんな中、開催された今回のBritish GPは、Hamiltonが勝利を重ねるにつれ、チケットの売行きが増し、今年の入場者数は過去最高を記録すると言われている。
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まずは、目に付く、McLarenとFerrariのイベント会場を覘く。
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今シーズンのこれまでの展開は、昨シーズンまでのRenaultにMcLarenが取って代わって、McLarenとFerrariの完全な2強の状態。ここまでの8戦で、4戦ずつ勝利を分け合い、コンストラクターズではMcLarenが一歩リード。欧州ラウンドに入ってマシンが整ってきた跳ね馬の追い上げに期待したいところである。

決勝を前に、ドライバーがパレードのために登場。WilliamsのAlexander Wurzを先頭に、同僚のNico Rosbergが続く。
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ToyotaのRalf Schumacher。
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Canada GPでの大クラッシュが記憶に新しいBMWのRobert KubicaとMcLarenのAlonso。
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中央のTOYOTA、Jarno Trulli。そしてその横で右手を上げるのはHondaのJanson Batton。
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SUPER AGURIの佐藤琢磨の後ろにはFerrariのKimi Raikkonen。
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そして、地元ファンの期待を一身に集めるMcLarenのLewis Hamilton。
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マシンの入場を前に、息をのむ航空ショーが繰り広げられる。
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ショーの終わりと共に、各チームのメカニック達がマシンを受入れる準備を開始する。F1のマシンは極めて繊細で、かつ、レースは何十週を繰り返しても秒単位での差がつくに過ぎない極限のスピードを競う世界である。シグナルが青に変わる直前まで、入念なマシンとタイヤの整備が求められる。
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そして、目の前に美しい曲線を描いたマシンが続々と入ってくる。

TOYOTA。日本の会社のロゴばかりが目立つのが残念である。
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BMW。一時はF1撤退も噂されたが、今期は残留。
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一際美しい赤のマシンは勿論Ferrari。Kimiがコックピットに座っている。
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4番グリッドからスタートのFelipe Massa。ブラジリアンカラーのヘルメットが映える。
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Williams。
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BMWとの契約更新が破談に終り、現在はシャーシ、エンジン共にTOYOTAから提供されている。かつては、ロータスやジャガーなども参戦していたF1であるが、Hondaが、SUPER AGURIに、Renaultが、Red Bullに、FerrariがToro RossoとSpykerにエンジンやシャーシを提供するなど、参加するメーカーは、Ferrari、Mercedes、BMW、Renault、Honda、TOYOTAの6社と寂しい。

Renault。昨年までの水色と黄色を基調としたカラーから一新。このカラーチェンジは正解だったのだろうか。
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McLaren。一昨年、昨年のチャンピオン、Alonsoがシートに座る。シルバーにビビッドな橙をあしらったセンスの良さが光る。
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同じくMcLarenのHamilton。本大会のポールシッター、地元ファンの期待は、唯一つ。Pall to Win。
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Honda。地球をイメージしたというこのカラーだが…。
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Red Bull。欧州で絶大なシェアを誇るドリンクの売り上げを背景に、様々なスポーツに資金を投じている。
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見当たらないのはSUPER AGRIの佐藤琢磨。どうやらピットスタートとなったらしい。

各チームのクルーが引き揚げ、フォーメーションラップの開始が近づく。
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先頭3台、Hamilton、Raikkonen、Alonso。
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あろうことか、この3台に続くはずのMassaのマシンにトラブル。他の車がスタートする中、グリッド上に残ってしまった。そのために、フォーメーションラップのやり直し。
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シグナルが青に変わるのを待つ。コースを中心とした一体の空気が揺れる、全身に響くほどの轟音に、鳥肌が立つ。
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爆音と共に、全てのマシンが駆け出す。絶句してしまうほどに、興奮する瞬間であった。
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トラブルで最後尾からのスタートとなったMassaが、力の差を見せつけ、序盤から次々と下位チームのドライバーを交わし、順位を上げる。
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先頭の方では、1回目のピットストップまでにプッシュし続けたRaikkonenがHamiltonを交わして前に出るも、給油時間を短くする作戦を取ったAlonsoがトップに立つ、という目まぐるしい展開。
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しかし、当然のことながら、Alonsoは2回目の給油をかなり早くに行わざるを得ず、ガソリンの重い状況に苦しむ。そんな中、ファステストラップを連発したRaikkonenが2度目のピットストップを終えて、首位に返り咲く。この結果にFerrariのサポーターからは歓声と拍手が沸き起こる。
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後方では、佐藤琢磨が頑張っている。参戦2年目のチームながら、今シーズンはリタイヤも少なく、ポイントも獲得。再び彼の評価も上がってきているようだ。
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終盤にさしかかり、優勝の行方が見えた中、注目はアクシデントからピットスタートとなったMassaの意地の走りだった。
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順位を5位まで上げ、BMWのKubicaを追い込んでいた。
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ガッツポーズでチェッカーを受けるRaikkonen。
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Raikkonenを先頭に次々とマシンが戻ってくる。
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Alonsoに続いて入ってくるのは3位に終ったHamilton。期待されたポールポジションからの地元優勝はならず、早々に首位を明け渡し、見せ場らしい見せ場もなかった。
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最初の勢い虚しく、消沈して肩を落とす地元ファン。
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ポディウムでは、表彰と、御馴染みのシャンパンファイトが繰り広げられる。
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1周5キロ程度のコースを50周、60周と繰り返すだけのスポーツに何の興味もないと言い放つ方も多いだろうし、それも十分理解できる。私自身、現場でどれほどの感覚を味わえるのか半信半疑なところも全くなかったと言えば、嘘になる。何しろ、スポーツ観戦にしてはチケが高額である…。しかし、現場で体感してみて、このアドレナリンが沸き立ち、痺れる感覚は、他のスポーツにないものと感じた。正直、60の周回がこれほど短いと感じるとは思いもよらないことであった。
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  by gentlemandinner | 2007-07-08 23:18 | london life

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