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LL.M.終了。

今日、最後のテストを受け終えた。卒業式は12月頃というinternational studentsを無視した設定になっており、まだ先のことだが、今日で実質的にはLL.M.のコースは終了ということになる。

これまで、LL.M.に関するレポはあまり残してこなかったが、final examも終ったということで、折角なので、今日受けたInternational Comparative Insolvency Lawについて触れておこうと思う。

I. Fletcherというこちらの倒産法の権威と言うべき教授がレクチャラーであった。開講の当初に、「昨年は多くの学生がpassも危うかった。」という脅しもあり、多くの学生が論文に流れたため(15000 wordsの論文か試験かの選択が可能。)、試験を受けたのは、私も含めて2人というチャレンジャーのみであった。

この科目は守備範囲が極めて広いということも、多くの学生が論文を選択した理由だったのかも知れない。Comparative Insolvency Lawの方は、UK,US,Australia,China,Franceといった幾つかの国のrescue, reorganisationを比較しつつ学ぶというもの。日本法の、会社更生法及び民事再生法がこの類に該当する。日本で直接外国法のアドバイスをすることのない私にとっては、一外国の倒産法を濃く学ぶよりも、常識を増やすと言う意味では、広く浅く各国のresucue, reorganisationを理解することは有益であったと感じる。

一方のInternational Insolvency Lawについては、英国のcross border insolvencyにおける法の錯綜が、守備すべきを広めていた。例えば、ドイツで設立された会社が、ドイツだけに留まらず、フランスでもビジネスを行い、それに際して、ビジネスの遂行のために、イギリスの銀行からファイナンスを受けていたとする。この会社がinsolventに陥ったとき、どの国の裁判所が倒産手続を遂行し、どの国の法律が、どの範囲で適用されるか。また、仮にドイツで主たる手続が行われるとして、他国に対してどのような援助を求められるか、仮に、ドイツとイギリスで手続が併存した場合にどのような調和を図るか。このとき、英国の視点で見た場合、4の法源がこれに関与する。一つは、common lawによるgeneral rules。長い歴史が作り出した判例の集積である。一つは、Insolvency Act 1986のArticle 426が定める援助に関する条文である。そして、いまひとつは、昨年施行されたばかりの、Cross-Border Insolvency Regulations 2006、最後の一つは、概ねEU諸国に適用されるEC Regulationsという奴である。適用関係とその基準などを整理してしまえば、すっきりするのだが、その過程がパズルのようで頭の体操になる面白いものであった。ということで、詳細は省略。。。汗。

何はともあれ、London生活を楽しみつつ、充実し、満足できるLL.M.の1年であったと感じる。そして、この後Londonの法律事務所でのsecondmentの期間が始まるまで、しばらくは…。十分遊んできただろうというご批判はもっともであるが…。

バカンスということになる…。

  by gentlemandinner | 2007-09-07 14:36 | LL.M.

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