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ファーストネーム。

朝に職場で交し合う挨拶、通りがかりに掛けられる言葉。いつもどことなく気持ち良さを感じるのは、目と目が合わさり、"Hi"とか、"Hello"の後に「○×△□(平仮名4文字の私の名前。)」が付いてくるせいだろうか。いつも決まってファーストネームが付いてくる。

ふと考えてみると、職場であろうと目上の人に対してであろうと、ファーストネームで呼び合う慣習が、この心地良い挨拶に大きく貢献しているように感じる。勿論「おはよう!●▽さん。」というのが何もおかしいわけではないが、「おはよう!」という清々しい朝の言葉と苗字+「さん」の持つどこか堅苦しい印象が何となくミスマッチであると感じるのは私だけだろうか。こんな風に名前まで付して挨拶するのは挨拶の受け手が気付いていない場合に限られるように感じるのである。

ちなみに、中国人や韓国人のように、イングリッシュネームを持たない日本人は、ガイジン(※日本人以外の趣旨。)が覚え易く、かつ呼び易いように、ファーストネームの最初の2文字で呼んでもらう等、自分の名前を少し短縮して呼んでもらう方が多いように感じる。多くのアジア系の国の方は、Jamesだったり、Tomだったり、好き勝手なイングリッシュネーム(しかも、母国でのオリジナルな名前と何らかの関連性を持っている例を、少なくとも私は知らない。)を使っているが、平気な顔をして「Davidと呼んでくれ。」なんて言うことは私にはとてもできない。子供のときから併用しているインターナショナルな人であれば兎も角、物心付いた時から慣れ親しんだ母国語の名前と全く関係ない名前に愛着を持てるものだろうか。それ以前に、そのイングリッシュネームで呼び掛けられて、自分のことと認識できるものなのだろうか。

そして、私自身は、Londonの大学に通い始めた頃には、日本人でも若干発音し難いであろう、「○×△□」という名前を、一度で覚えてくれるガイジンがいるはずもなく、いつしか、楽をするようになって、初対面から"I'm ○×."と言い放つようになっていた。これは、中高の6年間を男子校で過ごし、親しい友人にも苗字で呼ばれ続けた私にとっては革新的なことである(ってほど大袈裟なものでもないか…。)。その中高では、恐らく多くの男子校で共通するのであろうが、親しいか否かにかかわらず、苗字で呼び合うのが主流で、下の名前で呼ばれるのは同姓がいるような例外事例に限られていたように感じる。少なくとも、サッカー部の同期の中で、ファーストネームで呼ばれていたのは、学年に同姓がいたケースと、三浦和良が輝いていたJリーグ発足時に、皆の前で堂々と「Kazuって呼んでくれ。」と言い放ち、強引にもそのように呼ばれるようになったケースだけである。

そんな形でLL.M.の友人たちは私のことを「○×」として認識しているのだが、今の事務所では、「○×△□」という平仮名4文字の名前を覚えて貰っている。元々は、採用時に面接を受けたボスとメールでやり取りした際に、何となくメールで使う名前に「○×」という平仮名でもアルファベットでも些か心許ない名前を記すのに抵抗があって「○×△□」を使ったことによる。日本語堪能なボスがあっさりと「○×△□」を覚えてくれたおかげで、以後会う同僚にはボスから「○×△□」として紹介され、私も十中八九聞き返されるのであるが、"I'm ○×△□."と言うようになったというわけだ。そして今では皆が「○×△-□」と3つ目の母音が伸びた感じで呼んでくれている。本来の名前をきちんと覚えて貰い、かつ呼んで貰うというのは意外と気持ちの良いものである。

  by gentlemandinner | 2008-04-01 23:08 | City Life

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